転職を検討していて、グループホームで働くメリットが知りたい
グループホームの夜勤専従って実際どうなの?
転職を検討している介護士の方のなかには、上記のような疑問がある方も多いのではないでしょうか。
グループホームは、特養や老健などと比較すると身体的な負担が少なく、体力面に不安がある方でも働きやすいのが特徴です。ただし「グループホームの特養化」という言葉もあるとおり、身体介助が全くないわけではないため、一定の介護技術を身につけておく、あるいは学ぶ必要があることを認識しておきましょう。
本記事では、グループホームで働くメリットを中心に解説します。夜勤専従として、社員あるいはパートで働く場合のメリットも紹介しているため、ぜひご覧ください。
グループホームで働く5つのメリット
グループホームで働くメリットとして挙げられるのは、次の5つです。
- きめ細やかな介護が可能
- 家庭的な雰囲気のなかで働ける
- 体力的負担が比較的少ない
- 認知症ケアが学べる
- 現場でケアマネジャーと働けるケースも
きめ細やかな介護が可能
グループホームは、1ユニットあたりの定員が5人~9名程度と少人数制のため、入居者様1人ひとりに寄り添ったきめ細やかな介護を提供できます。
入居者さまの性格や趣味、嗜好などを把握しやすく、1人ひとりに合わせたコミュニケーションを取ることができます。入居者さまと信頼関係を築きやすい点は、グループホームならではのメリットです。
家庭的な雰囲気のなかで働ける
グループホームでは、介護職員と入居者と顔なじみの関係を築き、食事の準備や掃除、洗濯などの家事を共に行います。たとえば、居室の掃除機がけや米とぎ、洗濯物畳みなどを入居者様のADLに応じて共同作業するため、施設というよりも家庭に近い雰囲気で働けます。
入居者様とより近い距離感で接することができ、1人ひとりの個性や生活習慣を理解しやすくなります。施設のなかでありながら、まるで家族のように過ごせる環境は、介護士としてのやりがいを感じる方もいるのではないでしょうか。
また、グループホームは地域密着型サービスのため、原則としてその地域に住民票がある方が入居します。そのため、その土地ならではの話題が弾みやすく、入居者様とのコミュニケーションが図りやすいのも特徴です。
体力的負担が比較的少ない
グループホームは、認知症と診断された要支援2以上の高齢者を受け入れています。そのため要介護3以上が入居条件となる特養(特別養護老人ホーム)と比べると、介助量が少ない入居者様が多いのが特徴です。そのため、介護スタッフの体力的な負担は少なく、腰痛などの身体的リスクが低い職場といえます。
ただし、グループホームのなかには特養化が進んでいる施設もあります。厚生労働省が発表した「介護給付費等実態統計」によると、グループホームの平均要介護度は2.69となっています。
要介護度3以上の方が半数以上を占めているため、全介助ではないにしても、一定量の介助が必要な方が入居している可能性があります。そのため、特養や老健(介護老人保健施設)などと比べると体力的負担はないものの、身体介助の技術は身につけておくと安心です。
認知症ケアが学べる
グループホームは、医師に認知症と診断された方しか入居できないため、認知症の方へのケアが経験できます。またスタッフも日頃から認知症ケアに携わっているため、認知症に関する知識や対応方法が学べます。
なかには認知症ケア専門士をはじめとした資格を有するスタッフもいるため、認知症ケアを学ぶには最適な職場だといえるでしょう。
現場でケアマネジャーと働けるケースも
グループホームは入居者数が比較的少ないため、ケアマネジャーがケアプラン作成だけでなく、現場も兼務している施設があります。介護の知識や経験年数が豊富なベテランと働きたい方にとって、ケアマネジャーと働ける点はメリットです。
たとえば特養であれば、入居者数が多いことから、ケアマネジャーはケアプランの作成やサービス担当者会議の開催などの業務が中心となります。ピンチヒッターとして現場に入る機会はあるものの、特定のフロアに所属して業務にあたるケースは比較的少ないです。
ケアマネジャーと同じフロア・同じ目線で働けるのは、介護士としてスキルアップを目指すうえでよい経験になるでしょう。
グループホームで夜勤専従で働くメリット
グループホームでは、夜勤専従として働く方法もあります。メリットは以下の2つです。
- 少ない勤務日数で一定の収入が見込める
- 夜勤可能な人材が貴重なため職場の選択肢が幅広い
少ない勤務日数で一定の収入が見込める
グループホームで夜勤専従として働くメリットの1つは、少ない勤務日数で一定の収入が見込めることです。
夜勤専従の正社員の場合
正社員の場合、基本給に加えて夜勤手当が支給されるため、手当が支給されない勤務と比べると、月給が高くなります。また、夜勤明けの朝から翌日までが休みになることが多く、実質的に2日分の休みを取得できるのも大きな魅力です。
たとえば、月の休日が9日の場合、16時間夜勤の夜勤専従スタッフのシフトは以下のようになります。
上記のシフトで基本給が月給200,000円、夜勤1回あたりの手当が8,000円の場合、夜勤に11回入っているため、月給は288,000円となります。
夜勤専従パートの場合
またパートの場合であっても、夜勤1回あたりの賃金が高く設定されているため、勤務日数が少なくても安定した収入を得ることができます。
たとえば、ひと月あたり8回夜勤に入る場合、以下のようなシフトになります。
上記のシフトで夜勤1回あたりの賃金が20,000円の場合、月給は160,000円です。
少ない勤務日数で一定の収入を得ながら休日も十分に確保できる夜勤専従は、介護士にとって魅力的な選択肢の1つといえるでしょう。
夜勤可能な人材が貴重なため職場の選択肢が幅広い
介護現場では夜勤のできるスタッフが慢性的に不足しているため、夜勤可能な人材は非常に貴重な存在です。
そのため、夜勤専従を希望する場合、自分に合った働きやすい職場を選びやすくなり「勤務時間や休日の希望が通りやすい」「待遇面での交渉がしやすい」などのメリットがあります。
特にグループホームは身体的負担が少ないことから、子育て中の介護士や中高齢の介護士に選ばれる傾向があります。しかし夜勤が敬遠されるケースも多く、既存スタッフだけでは夜勤を回せずに、夜勤専従スタッフを募集している施設もあります。
私が実際に働いていたグループホームでは、1ユニット9人のスタッフがいましたが、正社員3人・日中パート2人・夜勤専従パート3人・派遣社員1人の人員構成でした。
夜勤専従パートは、希望に応じてひと月に2回~5回あたりの勤務で、そのうち2名のスタッフの本業は看護師でした。
夜勤専従は、副業として働く場合にも選択肢の1つになりますね。
また夜勤専従の経験があれば、転職する際にもアピールポイントになります。夜勤のできる人材を求めている施設は多いため、応募先の選択肢が広がります。
ただし、夜勤専従で働く場合は、心身の健康管理に十分注意が必要です。夜勤は身体への負担が大きいため、自己管理を怠らないようにしましょう。
まとめ
グループホームで働くメリットは多岐にわたり、家庭的な雰囲気の職場で入居者様のコミュニケーションを取りたい方には、特におすすめの職場です。ただし、ほかの介護施設と同様に身体介助の機会はあるため、知識・技術ともに身につけておくと安心です。
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